🎖️叙勲「佩用金具」を付ける位置などを解説

春・秋の叙勲の季節を迎え、受章者の皆さまからフォーマル衣装や勲章の付け方について多くのお問い合わせをいただいております。
今回は、モーニングやドレスへの「佩用金具(はいようかなぐ)」について取り付けのタイミングや位置などを、図解を交えてご紹介いたします。

※ 叙勲全体の詳細は、こちらのページをご参照ください。

🕊️ 1. 佩用金具

佩用金具とは、勲章や褒章を礼服の胸元に取り付けるための金具です。これを使用することで、勲章をピンで留め、勲章を着脱できるようになります。

伝達式のあと、職場・団体・地域での祝賀会・記念撮影を行う際には、正式に佩用金具を使って胸に勲章を付けます。この際は自分で丁寧に装着します(服に直接穴を開けず、金具で固定)。た、勲章や褒章を額に飾る際にも使用されます。 

佩用金具の長さは、勲章佩用金具には着用する勲章とその数によって長さが3種類あります。一番短いのが旭日章、褒章用、真ん中が瑞宝章用、長いのは勲章、褒章を二つ着けるための二つ掛けです。

いただく勲章によってリボンの大きさが違いますので、勲章に合った金具を購入してください。

アップタウンブライダルでは、68mm長さの佩用金具をお付けしてお届けします。ご返却の際は、金具を付けたままでお願いいたします。また、勲章は忘れずにお取り外ししてご自身で桐箱に入れて保管してください。

🕒 2. 佩用金具を付けるタイミング

伝達式の当日朝

通常、勲記・勲章が伝達される「伝達式」に出席する際、事前に佩用金具を用意し、控室または会場で付けるのが一般的です。

  • 勲章は式典中に授与(または既に授与済み)されるため、会場で係員から指示がある場合は、その指示に従って佩用します。
  • 伝達式によっては、「式中は佩用せず、勲章を持ち帰る」形のところもあります。(地方自治体や省庁によって異なります)
  • 式典の運営側(内閣府・各省庁・自治体など)から、当日の佩用方法について案内があります。
  • ご不明な場合は「会場で係員の指示に従う」ことをおすすめします。

🪶 つまり:原則として「伝達式または親授式の直前」に付ける。でも式典の案内文・係員の指示が最優先です。

⚠️ 注意点:

  • 勲章の佩用: 勲章は国家の栄誉の証。必要な場(式典・公的行事)以外では佩用を控えるのが原則です。
  • 礼服との関係: 男性はモーニング・ダークスーツ、女性はフォーマルドレスなど、服装に応じた位置と角度で佩用します。
  • 普段の保管: 勲章・佩用金具とも、授与箱(桐箱)に収めて保管します。高温多湿を避けましょう。

🎖️ 3. 叙勲における勲章の佩用位置(一般的慣例)

🎩 全衣装に共通するポイント

  • 勲章の位置: 左胸が原則(右胸は使用しません)
  • 高さ   : 胸の中央よりやや上、視線に入りやすい位置
  • 角度   : 基本は水平(やや内向きでも可)
  • 複数佩用時: 上位章を中央上に、他を下に配置
  • 佩用金具 : 衣装を傷めないようピン式 やスクリュー式を使用

  ※ 佩用金具の取り付け方は、「(株)望月商会」様の動画をご参照ください。
  ※ ご購入は、楽天ショッピング、Amazon、モノタロウなどのショッピングサイトからできます。

👔 男性:モーニング・礼服・ダークスーツの場合

  • 左胸のポケット上部中央またはやや外側寄りに佩用します。
  • ネクタイ・ポケットチーフに重ならない位置に。
  • 勲章が複数ある場合は、上位章を上段中央に配置します。
  • モーニングの場合は、上着を着たまま佩用します(脱がないのが礼儀)。

👗 女性:フォーマルドレス・アンサンブルの場合

  • 肌の露出があるドレスでは、ブローチ台を使うか生地のしっかりした部分に取り付けます。
  • 角度は水平またはやや内向き(上位の方を中心に寄せると上品です)。

👘 女性:和装(留袖・訪問着)の場合

  •  左側胸のやや上方(家紋の下)に佩用します。
  •  帯や紐で隠れない位置に取り付けるのが基本です。
  •  勲章の金具が生地に負担をかけないよう、**台布(白布)**を一枚挟むと安全です。

📦 4. 保管・取り扱いの注意(衣装返却時のお願い)

  • 勲章・佩用金具は国家から授与された大切なものです。レンタル衣装に付けたまま返却しないようご注意ください。
  • 式典後は柔らかい布で軽く拭いて、授与箱に戻して保管するようお勧めいたします。

🎖️ 5. なぜ叙勲の伝達式は週日に行われるの?

🏛️ 式典は「公務」として行われるため

叙勲は、天皇陛下から授与される勲章に関する国家の公式行事です。
そのため、伝達式も各府省庁や地方自治体が主催する「公務」の一環として扱われます。
公務員の勤務日である**平日(月〜金)**に実施するのが原則なのです。


👔 主催側・来賓の出席調整のため

伝達式には以下のような多くの関係者が出席します:

  • 各府省の大臣・副大臣・局長
  • 知事・市町村長などの自治体首長
  • 受章者および同行者(多くは官公庁・企業・団体関係者)

これらの出席者の多くが平日に公務日程を合わせやすいため、週末開催は避けられます。


🕊️ 天皇陛下の拝謁・親授式との日程調整

春・秋の叙勲では、皇居での親授式(天皇陛下が直接勲章を授ける式)が行われます。
この式の日程に合わせて、各省庁・地方での伝達式が前後して設定されるため、自然と平日中心のスケジュール
になります。


💡 実務面(会場・職員・報道対応)

会場となる官庁施設やホテルも、週末は休館・貸出制限がある場合が多く、報道対応などの手配も平日のほうがスムーズです。

📅 6. 叙勲の受章までの主な流れ

1. 候補者の選考・決定

  • 推薦・審査: 各省庁などから候補者が推薦され、内閣府賞勲局で功績の審査が行われます。
  • 閣議決定・裁可: 審査後、閣議で受章者が決定され、天皇陛下の御裁可(ごさいか)を経て正式に発令されます。
    • 発令日は通常、春の叙勲が4月29日秋の叙勲が11月3日です。

2. 事前連絡(内示)

  • 正式決定の1〜3週間前に、推薦省庁や団体などから受章者に**内示(非公式の通知)**の連絡があります。
  • この連絡で、受章の意向確認や、伝達式・拝謁に関する準備の説明などが行われます。

3. 公式発表(新聞発表)

  • 発令日当日、官報で受章者が公示されるとともに、新聞などで公式に発表されます。
  • この後、お祝いの電報や電話などが多く寄せられるため、お礼状の準備などが必要になります。

4. 伝達式・拝謁

受章の栄誉を称える重要な儀式です。

🔹 伝達式(勲記・勲章の授与)

  • 大綬章以上: 宮中(正殿松の間)において天皇陛下から勲章が親授されます(親授式)。
  • 重光章: 宮中(松風の間など)において内閣総理大臣から伝達されます。
  • 中綬章以下(一般の叙勲): 各関係省庁や都道府県庁などで、各大臣または都道府県知事から伝達されます。

🔹 拝謁(天皇陛下への謁見)

  • 伝達式後、受章者は勲章を着用し、配偶者の方を同伴して宮中へ参内し、天皇陛下に拝謁します。
  • この拝謁の際に、ねぎらいのお言葉をいただくのが一般的です。
  • 宮中で記念撮影が行われることもあります。

5. 帰郷後の準備

  • ご挨拶状の発送: 伝達式・拝謁の報告とお礼を兼ねて、お世話になった方々へ挨拶状を送ります。
  • 祝賀会: ご本人主催、または発起人による祝賀会が開かれることがあります。
  • 勲章・勲記の保管: 勲章と勲記を額に収納し、飾る準備をします。

🧭 7. まとめ

叙勲は人生における大切な節目です。佩用金具を正しい位置と手順で勲章を佩用することで、式典にふさわしい姿で臨むことができます。アップタウンブライダルのフォーマルレンタル衣装を通じて、お客様の晴れの日を心からお手伝いできるよう、スタッフ一同丁寧にご案内いたします。